風景撮影向け三脚の特徴
自然風景系の写真撮影では欠かすことのできないカメラ用品の三脚。最初の三脚はきっと、軽くて安い三脚でしょう。でもいつからか、とても頼りなく感じてくるようになるでしょう。
このサイトを「最初」の段階で目を通す人も、三脚の「買い替え」の検討中に検索で辿り着いた人も、参考にできる部分は大いに参考にしてください。
ではでは本題へ。
このページのお話
重くて高い三脚が「本物」
登山・携行は辛い
湿原・早朝・夕暮れ・花撮りはベター
風景撮影向けの3WAY雲台三脚
三脚は意外と重要。締めても画面が動いてしまう三脚は時間を無駄にしてしまう。このサイトの「三脚」解説として登場しているモデルは重量が1.8kgもある金属製の三脚で、もともとスタジオ撮影用のプロモデルのコンセプトを持った三脚なので通常、持ち歩くことはありません。
棒の突き出た(角度調整をする)スタイルの三脚は一般的なスタイル。解説に用いている三脚はスリックの旧製品「 プロ 330 DX II 」という三脚。解説前にスペックを記載(引用)しておきます。
プロ 330 DX II(スリック)
対応機材:デジタル一眼+高倍率ズーム・大口径標準ズーム
搭載機材の最大重量:3kg以内
全高:1,606mm
エレベーター下げ全高:1,256mm
縮長:596mm / 地上最低高:308mm
パイプ径:23.4mm /
重量:1820g
希望小売価格:\18,800(税別)
カメラ着脱はクイックシュー式で撮影現場で素早くカメラをセット可能。エレベーターの固さ 調整(FAJ)を付属。ウレタングリップ、水準器、ケースを装備。[2010年3月12日発売]
重量級三脚=近距離ウロウロ撮影向け
三脚を買う時は「こうしたスペックを全部理解して比較・購入する」という事。
『旅行に最適!コンパクトに畳めて超軽量!価格は千円!水平が取れる水準器付!』…「いいんじゃないか?よし、買おう!」そのような感じで購入した三脚があなたの家にもひとつは置いてあるでしょう。
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微妙にグラついて角度調整はバーを締め込んでもカクっとズレてしまい、風が吹けばカメラを載せたままバッタリと倒れそう。移動の度に三脚のアタマに付いたカメラが重さでクルクル回り、ボディーのネジが痛んで致命的なグラグラ状態に…。
今回は少し勉強してずっといい撮影をし続けられる三脚を考えてみましょう。
「棒」(ハンドル)で角度調整する三脚
2WAYや3WAYと付く三脚は「棒」で微妙な角度調整をするスタイル。このような棒は「パン棒」と呼ばれます。「pan」自体がカメラを左右に動かして撮影するという意味の英単語。
この棒(パン棒)自体、微妙な角度調整の取り回しをするほか、各部位の締め込み固定をするための大きな「ネジ」を兼ねています。
一つの棒(ハンドル)で「上下」の角度調整、一つの棒で「両肩の上げ下げ」角度の調整、これで2WAY(2通り)の動きが可能で、その他に土台がクルクルと回り「方向」を変えることができる機能をプラスしたものが3WAY(3通り)の三脚(雲台)という意味。
カメラを設置する部分を「雲台(うんだい)」と呼びます。
重量のある三脚の脚の部分
金属製の重い三脚なのでとてもガッシリしています。スペックで出てきたパイプ径は「23.4mm」とのこと。クッション性のある「ウレタングリップ」が握りやすく取り回しを楽にしてくれています。
中央の支柱を回すことで支柱が上下に移動(全長が伸びる)するほか、ネジ部分で固定する事もできます。脚の開き具合は根元の金属ロックを解除するとガバっと広がってくれます。(脚が開いても支柱の長さよりつっかえてしまうため地面近くまでは低くはなれません)
「普通の三脚」は分離可能
雲台はこのように取り外すことができます。安売りされている三脚は一体型となっている場合が多く、カメラ初心者はこのような状態になる三脚に(最初に)出会う事が少ないので、三脚を買い足す時も全部それぞれ「一体型」の三脚が数本並んでしまう場合が多いかもしれません。
安いファミリー向け三脚を持っている人は気付かないかもしれませんが、三脚は「脚」の部分とカメラを載せる「雲台」の部分はバラバラです。
旅行用の安い軽量三脚は軽量化のためにこの部分が一体型のものが多く、取り外して他の三脚に付け替えることができないため、使い回せるパーツがない三脚を何本も所有する羽目になります。
車+数キロ歩く程度なら重量三脚
分離型のがっしり三脚は遊歩道や木道が整備された道、売店や道路から数分で目玉の観光スポットに到着する場所を持ち歩くには許容範囲の重さで最大の撮影効率を産む三脚です。
岩山を越えて数時間歩きながら撮影をするような「登山」や「海外旅行」には重量・費用対効果を考えるとチョイスとしては少し適していません。そのあたりのバランスが難しいのが三脚選びの実際ですが、少し良い三脚を選んだ方が構図の決定時間が減る上に失敗写真が少なくなるのでトータルでプラスになるような気がします。
登山でもハイキングでもキャンプでも車で現場の駐車場まで行ける人と、電車やバイクで、全ての荷物を背負って行く人では写真機材の選び方が異なります。
…「旅行用軽量三脚ではない三脚」のモノの紹介ばかりになってしまいましたが、分離可能三脚の方が「圧倒的に綺麗な写真をさくさく撮れる」のがこのページの趣旨でした。(;・∀・)
三脚は「本気の作品撮り」がメインであればガッシリした三脚で。
登山やハイキングがメインの人は利便性の高いソコソコのトラベル三脚で自然地帯を歩き回ってみましょう。