NDフィルターの効果と使い方
「NDフィルター」は別名「減光フィルター」。光の透過を阻害して比較的長い時間「シャッターが開いたままの状態」を可能にします。
普通に手持ちで撮影すればブレた写真になるフィルターですが、NDフィルターを上手に使えば滝や川や雲海を幻想的に写すことができます。
ではでは本題へ。
このページのお話
見た目の景色が印象的な光景になる
手持ち撮影は不可
実際の出番は少ない
レンズに入る光を減光させるNDフィルター
このNDフィルターでできる事は・・・
■ 日中の流れ落ちる「水」の姿を「軌跡」として撮影できる
…という特殊効果を得ることができます。別名は「減光フィルター」。
NDフィルターはわざとブレを起こさせた撮影結果を得るためのフィルター。人間の目はブレが続くような見え方はしないため、幻想的で美しい写真を意図的に残せますが、反面、使う場面は限られています。
NDフィルターの効果
NDフィルターはレンズ前を暗くするガラス板。強制的に長い秒数をかけて暗い景色を一枚の見た目の明るさの写真にすることができ、撮影ではカメラがブレないよう固定して撮影する必要があります。
上の写真は秋田県にある法体の滝のノーマル撮影とNDフィルター使用写真。肉眼・通常撮影では左の写真のような光景が現実なのですが、NDフィルターでシャッター速度を長めに開けた写真を撮ると、流れ落ちる水の反射が光跡となり写り込みます。
昔から「プロ」のみなさんが撮ってきた写真手法ですね。
滝や川の幻想的写真には三脚が必要
理屈としては背景や全体を静止画とし、動き続ける被写体の部分を「ブレ」写真状態にすることで、現実には無い光景を写していることになります。1/2秒から数秒間シャッターが開いたままの光を取り込むため、カメラは三脚や岩場に固定。
F値の数字を上げて絞りを絞り、全体にピントが合うようにします。
ちなみに、NDフィルターを使わないでシャッターを長時間開ける設定をして撮ると露出オーバーで真っ白&白トビ写真にしかなりません。
NDフィルターは撮影現場の明るさに応じた「濃さ」が必要で、NDフィルター同士を重ねて使用することができます。
ND4は光の量を1/4に、ND8は1/8に減光し、ND4とND8を重ねた時の減光効果は4×8=ND32と同じ。
とりあえず、現場まで行ってNDフィルターが無ければこうした写真を撮ることは不可能なので、用意しておくと良いかもしれません。
紅葉の渓谷の流体撮影向け
1/8の減光フィルター「ND8」
ND2やND4があるものの、よく「最初の一枚」と呼ばれる濃さのND8。
減光フィルターとしてはやや濃さが足りない状況も多いものの、三脚の前でND8を基準に必要なシャッター速度になる濃度のフィルターを試していく基準になる一枚。
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緑の森が背景の渓流撮影向け
1/16の減光フィルター「ND16」
真夏の強い日差しの風景の中で活用できる減光倍率のNDフィルター。
明るさの全ての基準はファインダーを覗いた時の景色のため、黒い岩や土が多ければND8で事足りることもある。逆の場合は濃いフィルターが無ければ撮ることはできない。
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NDフィルター撮影のあれこれ
減光を利用した流体表現撮影手法を用いる場面は限られています。実質、滝と川の流れの撮影程度。
応用的には日食の太陽撮影や人混みの都市の交差点から動き続ける人々だけを消すような運用も可能ではあるものの、サーキュラーPLほど出番は多くありません。そのため、高価なコーティングが施された上級グレードのNDフィルターを買う必要はそれほどありません。
紫外線で劣化していくサーキュラーPLと違い、太陽光を遮断する目的の性質上、NDフィルターは劣化しませんので、レンズの大きさに合ったNDフィルターを一度買えば、ほぼ買い替えることはありません。
三脚は「本気の作品撮り」がメインであればガッシリした三脚で。
登山やハイキングがメインの人は利便性の高いソコソコのトラベル三脚で自然地帯を歩き回ってみましょう。