1万円以上の登山靴の選び方・絞り方
ほぼ運動靴と変わらない1万円以下のトレッキングシューズではなく、「ちゃんとした登山靴」を買う時に先読みしておきたい登山靴解説。
その特徴や特性を知った上で「本物登山靴」選びを考えていこう。
ではでは本題へ。
このページのお話
登山靴の種類と選び方
靴底が分厚い登山靴の解説
初心者向けモデルの登山靴の違い
トレッキングシューズと登山靴の違い
前ページ「1万円以下の登山靴と選び方」は『外履きの靴』に用途の方向性を味付けした程度の「トレッキングシューズ」でした。
このページから先はそれなりの価格になる「ちゃんとした登山靴」例。スキー靴のように「登山靴」している登山靴。1万円以上と定義していますが、正確には1万円台後半からの価格になる場合が多いでしょう。
このクラスの登山靴の関連解説は「五合目・ビブラムソールとゴアテックス」と「五合目・2~3万円登山靴の特徴と必要性」のページがあります。そちらでは解説より雑談や経験談からの流れなので、このページからメーカーさんや店員さんが説明するような一般的内容でお送りします。
登山靴の靴底は大きなブロックパターン
前ページの解説した1万円以下のショッピングモールの登山靴を「(安い)トレッキングシューズ」とし、このページで話題にする1万円台以上の靴を「登山靴」として解説を進めていきます。
トレッキングシューズと登山靴の違いを判断したい時は、まず靴底を見てみましょう。
山歩きのための登山靴は靴底のブロックパターンの高低が深い分厚い物です。
靴底のデコボコを「ブロックパターン」と呼びます。登山靴の場合、このブロックパターンがとても深く、分厚い靴底になっています。
靴底は「ソール」と呼び変えられたりします。黄色いロゴは性能に定評があるビブラム社のソール。「ビブラムソールの登山靴」と表現することも多いほど、メジャーなパーツのひとつになっています。
価格の線引きになるポイントの一つが「ビブラムソール」の登山靴か、「自社オリジナルソール」の登山靴か。本物登山靴は大げさなほどブロックパターンが分厚くデコボコしています。
自社ソール靴は廉価版の本物登山靴
登山靴は靴の中でもマニアックな靴ですので、メジャーな登山靴メーカーでも、価格を抑えた入門者・初心者向けのモデルと、登山マニアや山岳職業従事者向けの専門靴を設計・生産しています。(※このサイトでは「登山のプロ」を美化したり、特に持ち上げません。)
ビブラムソールは耐久性やグリップ力に優れた靴底素材として人気や信頼があるので、登山靴メーカーはライセンス料がかかっても「本物登山靴」にはビブラムソールを組み込んだモデルを作ります。
本物登山靴を作るメーカーの自社ソール登山靴は、価格を抑えた廉価版の登山靴。廉価版と言っても、低価格モデルの差別化であり、しっかりとした本物登山靴の一種です。
廉価版=初心者向け・ハイキングシューズの構図
ショッピングモール系のトレッキングシューズではなく、「ちゃんとした登山靴メーカー」の商品のお話ですが、「ハイキング用」あるいは「ビギナーモデル(初心者向けモデル)」のようなラインナップがされていることが多いです。
「ちゃんとした登山靴メーカー」は具体的には例えば…「キャラバン」「モンベル」「シリオ」「LOWA」を例とします。
1万円半ば台が登山靴の最低ライン
その中で「初心者向けモデル」を具体的に挙げれば…
=▶C1_02S(キャラバン)
税抜定価価格は14800円。ゴアテックス・自社ソールのキャラバントレックソールで構成されたモデル。
=▶ラップランドブーツ(モンベル)
税抜定価価格は15500円。ゴアテックス・自社ソールのトレールグリッパー(張替不可)で構成されたモデル。
=▶P.F.156(シリオ)
税抜定価価格は14800円。ゴアテックス・ビブラムソール(ただしソール張替不可)モデル。
=▶イノックス GT MID(LOWA)
税抜定価価格は23000円。ゴアテックス・ローバーNxt(ソール張替えは不明)モデル。
上記は「たとえば~」のピックアップ。
ページ編集時には「ある」けれど、わずか2年後にはもう「ない」かもしれないので、ご理解を。
LOWAは海外メーカー。輸入代理店がどこまでを日本で商品展開するかを決めるので、本国のドイツやヨーロッパでは自社ソールモデルが一万円台で売られているのかもしれません。ソールの張替は販売店か専門店(輸入代理店)でしてくれそうな気がします。
とりあえず、登山靴メーカーの低価格帯=入門・初心者モデルの登山靴は「ハイキング・トレッキングに適した」という位置付けで1.5万円からのスタートであることがわかると思います。少なくとも全部ゴアテックスの商品みたいですね。
つまり、低価格・入門登山靴はソールが「自社ソール」か「張替不可の売り切りで安めの価格設定」か…という感じなのです。ざっくり言えばそれだけの話で、「ハイキング向け」と書かれていても、このクラスの登山靴であれば、素材やコストの回収方法が違うだけで高価なモデルとほぼ同じ。
(オールレザーとか岩山向けのソールの硬さなどの要素はもっとマニアな人々がこだわる別の話で…)
良い意味で「価格が押さえられている自社ソール靴も立派に登山靴」しているので、まだ登山の趣味にハマるかどうかわからない「初心者」は廉価版の登山靴でも『とても良い本物登山靴』と言えます。
登山靴の購入を考えている人は「五合目・靴底を張替えできる登山靴」「一万円台の登山靴の特徴と悩み」ページも必見です。
ビブラム張替モデルは「登山好きな人」向け
ビブラムソールで、数年後に擦り減った靴底を張替できるモデルは「登山が好きになった人」向けの登山靴。
「来年も行きたいぜ!」という山登りが趣味のひとつになった人は、「擦り減ったらゴミ箱行き」の靴ではなく、履きなれた靴を新調して登りたいものなので、そういう人向けなのが、2~3万円の登山靴なんです。
張替可能な登山靴で「ビブラムソール」にするか「自社オリジナルソール」にするか…そんな選択肢に辿り着くでしょう。
サイズがどう、デザインがどう、富士山は登れるか…そういう視点の前にこのページで解説した点が「登山靴の選び方」の最初の仕分けになると思います。
せっかくなので、「張替可能」モデルの一般向け登山靴(=安いクラス)を見てみましょう。
▶GK8X(キャラバン)
税抜定価価格は18500円。ゴアテックス・自社ソールのキャラバントレックソールで構成されたモデル。
▶ツオロミーブーツ
税抜定価価格は18800円。ゴアテックス・自社ソールのトレールグリッパーで構成されたモデル。
▶P.F.46(シリオ)
税抜定価価格は20000円。ゴアテックス・ビブラムソールモデル。
▶レネゲード GT MID(LOWA)
税抜定価価格は29000円。ゴアテックス・ビブラムソールモデル。
「一般向け登山靴」の言葉の意味は「普通に雪の無い登山道を歩いて登っていく山」のこと。普通の人、雪山やロッククライミングのような岩山登りはしないので、高価すぎる登山靴はオーダーメイドのようなマニア向けと表現してみました。
以上のような理解を基に、やっと現れるのが「サイズ」です。
縦の長さだけではなく、3Eや4E、甲の厚さも「モデル」によって違うので、ソールの販売戦略に応じた価格帯の「モデル」の整理ができたら、自分の足に合うモデルを優先的に探していくことになります。
価格的にこうやや高めのLOWAを「例」に含めてまとめたのも、そのあたり(サイズ)の事情に拠るもの。
次のページで解説していきます。
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