五千円級の登山靴の性能 登山靴購入記-5
この章は登山用品と登山靴についてのガイドページ。
誘導ではない人の自発的な「山道具」への勉強と、必要に感じ始めた「経験」の話をしていきます。
ではでは本題へ。
このページのお話
登山靴の選び方と考え方
「トレッキングシューズ」名の運動靴
防水は靴底付近のみ
登山靴購入記-5 五千円級の登山靴の性能
前回のあらすじ(海外ドラマ風)
登山靴のことを調べ始めた主人公。
登山靴メーカーの商品ラインナップの中でも「クラス分け」されていることに気付き、大まかに要所要所で使われている素材が違う事を突き止める。
ひとつは靴底のビブラムソール、もうひとつは透湿素材のゴアテックス。高いのでとりあえず安い靴で妥協することを考えてみたりする。
一旦リセットして五千円の靴を再考
はじめに前置きします。
登山靴購入記ではどの価格帯の登山靴を選択・購入しても基本的に全て「正解」です。
登山靴についての解説の関係で『安い靴はココがよろしくない』等の比較表現をしていきますが、特に「数万円の高価な登山靴を買わなきゃ」という意図はなく、実際のところ、五千円の靴でも富士山に登ることはできます。(=「どれも正解」)
では「なぜ高価な登山靴を買う人がいるのか?」…それをひっくるめてお話を進めていきます。
筆者自体五千円の靴から買い、登っています。ご自身の登山環境や体力・年齢に合った登山靴と出会ってみてください。
登山初心者ナビは後に購入した登山靴も擦り減った靴底を硬質ゴム化する補修材で補修したりしています。
補修の様子は別のページで詳しく解説予定。
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五千円級の登山靴はどんな靴?
さて、五千円~六千円で売られている「トレッキングシューズ」を見ていこう。
まず、「トレッキングシューズ」という名目でヒットするのがこうした靴。
トレッキング=自然地帯を歩く事なので、ある意味ゴテゴテの本物登山靴もトレッキンググシューズ(ブーツ)なのですが、高価な登山靴とはモノが全く違う「野外歩き靴」のため、ちょこっと売れやすいようにカタカナで「トレッキングシューズ」というジャンルで並ぶことが多いです。
逆に高価な登山靴は「トレッキングシューズ」というカタカナで売り出されてはいません。「登山のための靴」なので『登山靴』なんですね。
ネットでも買える他、イオンや靴の安売り店舗で似たような靴を見かけることができます。
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五千円級の登山靴の特徴
この価格帯のものはデザインとサイズが違うだけで基本的にどれも一緒。トレッキングシューズという名称の他にはハイキングシューズと表記される場合もあります。
特徴は「軽量」な作り。対登山用の登山靴は靴底が分厚く、靴ひもの編み込み部分までゴアテックスで包まれている構造上、それなりにウェイトがあるのですが、「軽量トレッキングシューズ」の靴底は普通のスニーカーと同じ扱いです。
ゴテゴテしていないのでとても軽い靴。初心者は普通の靴にしか履きなれていないので、そういった意味では普段と変わらない「履き心地」を良いと感じるかと思います。もちろん、「どれも正解の靴」。
一般的には重いリュックを背負った登山では足元はガッシリ重みのある方が安定するとは言われていますが、筋力の衰えた高齢者や、そもそもアルプス山脈へ登山をしたい人ばかりではないので、五千円靴でも正解の人はいるでしょう。
それから、「柔らかい」こと。
普通に履いてきたスニーカーや運動靴と基本的には同じなので違和感を感じないかもしれませんが、登山靴は「専門用品」。高価な登山靴は靴の中で足を固定し、足と靴が一体化したような状態で歩くので、安いシューズのようにグニグニ曲がりません。
普通のスニーカーに慣れてしまっているので問題は無さそうに感じると思いますが、このあたり、『登山靴』とは全然違います。靴底が薄いのでゴツゴツが伝わり、足が棒になりやすいのもこうした普通の靴の特徴。
五千円級の登山靴のデメリット
まとめて言えば「防水性の無さ」と「擦り減ればゴミ」という事。
防水性が謳われていても、「靴底の少し上までの水(水たまり)を少し弾きますよ~」というのが実際の話。もっと足全体を包み込んでいた場合、透湿素材は使われていないので今度は「蒸れやすい」靴になります。
雨や草に着いた夜露で足の甲の靴下まで湿り、さらには蒸れるので不快なうえ、道の状態が悪いと濡らさないように一歩一歩足の置き場を考えながら歩くので体力を消耗していきます。
分厚いブロックパターンもない薄い靴底が擦り減ればそれで寿命。張替はできないので使い捨てるしかありません。
使い捨て靴=次回は一から探し直し
五千円クラスのトレッキングシューズについて大まかに特徴や弱点を挙げるとそんな感じ。気に入った靴だったとしても価格が価格なので一年後には同じ靴は生産されていないので、履き潰したら一からまた自分の足に合う靴を探し直す必要があります。
次のページでは一万円台の「登山靴」を見ていきます。
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