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三脚の高さと旅行用三脚の注意点


安い旅行用軽量三脚は「超初心者」しか買わないモノ・・・的ポジション。

三脚 デジカメ

【写真:すごく安い軽量クイックシュー付きの三脚のようなモノ&簡易撮影用のデジカメさん】

 

 

軽い三脚はとっても不安定。ある程度重い三脚を旅用にしよう。

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写真撮影自体は「カメラ(+レンズ)」があればできますが、風景写真を「クリア」に撮るのに欠かせない物がカメラを固定する『三脚です。さて、前ページでは主にスタジオ撮影のような状況で使用されるタイプの重量のある「三脚」を例に三脚の構成について解説をしました。

重量級スタンダード三脚の選び方のポイント

 

自宅での撮影や車を置いて駐車場から数分の場所で撮影をする(例えば鳥の撮影など)では、確実な写真を量産し続けてくれるガッシリとした重量系の三脚ですが、旅行や山歩きで2キロ近い重さの金属の棒(三脚です)を持ち歩くのは厳しいと思います。

 

三脚なんて数秒間カメラが載ってくれたら、いいんじゃないの?』 ・・・と千円程度の三脚に気持ちが傾いてしまう人に「安い旅行用軽量タイプ」の三脚のあれこれをお話していきます。

 

山登り&ハイキングのこぼれ話

女子

ピンからキリまである写真撮影用の三脚ですが、三脚の違いや絞り方の参考にして欲しいのが前のページでお話に出てきた「クイックシュー付」の三脚。そうです、お買い物は多くの物がある場合、どんどん絞っていかないといつまで経っても決まらない。三脚はたとえ安くても撮りたい構図に届かなかったり手持ち撮影と変わらないブレてしまう三脚は一生懸命持って行っても全然意味がありません。

【★ミラーレス写真用品なんかない?:三脚

区切り線

 

 

 

旅行で携帯するための三脚のポイント


軽量三脚は脚と雲台が分離しない「一体型」である場合が多い

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最初の一本でも数本目の三脚であっても、三脚を選ぶ上で必ず考えることになるのは「三脚の高さです。

登山靴と同じくらいの高さでも脚の生えている「ローアングル」用の三脚もあれば、直立した人の顔の位置に一眼レフミラーレスカメラが来るような高さの三脚もあります。

材質も価格もまちまちですが、安くて高く伸びる三脚は安定性が悪く、一眼レフとズームレンズなどの重いカメラの組み合わせを載せたところで微妙にブレた写真になってしまうのが実情です。

 

また、そこそこの高さの三脚を買った場合、いつも「目線」の高さで撮っていた写真が三脚を使用した写真のみ、いつもより低い視点の同じ構図の写真ばかりになるでしょう。

 

「どのサイズが良い」・・・それは人それぞれですので、そうしたアドバイスではなく「このくらいのサイズの三脚はこんな感じですよ」という感覚で、ご自身の旅行の携帯用三脚の選択の参考にしてみましょう。

 

三脚 デジカメ   三脚 デジカメ クイックシュー
【千円で三脚のようなモノ(三脚です)を買ってみました】   【クイックシューのようなモノ(クイックシューです)もある】

 

どの家庭にもひとつはありそうな「旅行の時に使うため」のカメラ用三脚

その多くは「初心者用」「ファミリー向け」等の文言があり、実際には「経験者ではない人」に使ってもらう(微妙なブレなど経験が少なく「画質」がわからない人)をターゲットとした商品である場合が多いです。

クイックシューや水準器が付いて価格は千円程度で初心者を引き付けますが、二度と来ないかもしれないここ一番の旅行でアンバランスな千円三脚で構図も固定できずに上手に撮れない事態は避けたいものです。

 

旅行用三脚のおおまかな特徴

■ 携帯性を優先すると三脚の構造は「脚が多段階に収納できるモノ」になる
■ 脚の段数が多く、基本的に細いので重量物を載せると不安定になりやすい
■ パーツの重量を少なくなくするために形は「脚」と「雲台」が分離できない「一体型」のものが多い
■ 安いものはたとえ「クイックシュー付き」であってもヘッド部分(雲台)はプラスチック製で固定性能は低い
■ 最大全長(高さ)を出すために「エレベーター(支柱部分)」を伸ばすため、キリンの首のような状態となる

 

収納・携帯性と安定性は表裏一体で、ある程度仕方がないのですが、安い三脚の作りは「ちゃち」なので、「安物買いの銭失い」になる場合もあります。

 

 

安い三脚のダメな感じな部分を記憶に刻んでおこう


旅のための三脚を考えてみる一般的解説

 

軽いボディーのミラーレス一眼であれば、多少ちゃちな三脚であっても、ブレの少ない写真を撮ることができるのですが、ズームレンズを付けた一眼レフやフルサイズの上級カメラの場合、千円程度の軽量三脚は三脚としての役割をさせても(文字通り)「荷が重い」状態になります。なお、ここまでのお話は「安い」「旅行用三脚」を想定しています。


旅行・携帯用に考えられた「一眼レフ対応」の「高い三脚」は、当然「三脚」ですので「全部のお話」ではありません。

ひとまず「軽さ・小型収納」と「安定性」は裏表の関係にありますので、ただ単に「一番軽いもの」を選ぶと失敗します
スペック(長さや段数や重さ)や高さや収納形態のイメージを確認して選定することが大切です。

 

【☆彡こちらはガッシリ系の三脚の写真☆彡】

三脚 一眼レフ   三脚 一眼レフ 雲台
【重いガッシリ三脚の収納形態(総重量1.8kg)】   【おじぎをしない雲台は撮影効率も良い】
三脚 足   三脚 足
【ガッシリした三脚のガッシリした脚と腰】   【ガッシリ三脚の脚のロックは2つ(=3段収縮)】

 

上の写真は前ページで解説に出てきたガッシリした三脚です。

 

総重量は1.8kgで、外の撮影で持ち歩く人もいますが、当サイトのフォトグラファーは「バイク移動」の「登山アリ」の人なので、『撮影地までの移動はク ルマで駐車場から数時間だけ三脚を担ぐだけ』の状況ではなく、「10数時間以上常に背負い続ける」という使用想定があるため、屋外撮影に持ち出す(持ち歩く)重さではありません。

 

しかし、風景写真を納めるためには三脚が必要でしたので、「千円程度の安い三脚」を購入しましたNDフィルターの解説にもありますが、森に入れば滝に遭遇する事も良くあります。
重さは589gで・・・話の流れ上、メーカー名は伏せておきます。^^;

 

【☆彡そして残念系のひょろひょろ三脚☆彡】

三脚 軽量 旅行用   三脚 軽量 旅行用
【首を伸ばせばガクガクブルブル^^;】   【足を伸ばしたら正直危険^^;】
三脚 軽量 旅行用   三脚 軽量 旅行用
【クイックシュータイプの雲台。クイックシュー装着状態】   【水平の肩の上げ下げはネジを回して固定・調整する】

 

参考までに・・・

ニコンD80のボディー(本体)の重量は「約585g」(バッテリー等を除く)。
ニコンD5100のボディーの重量は「約560g」(バッテリー込み)。

メインレンズ AF-S DX VR Zoom-Nikkor 18-200mm f/3.5-5.6G IF-ED の重量は「約560g」です。

1kgを越える物体を589gの重心が高い棒(三脚)の上に載せるわけで、そもそも無理があるのですが。^^;

 

三脚 クイックシュー   三脚 一眼レフ
【小さなクイックシューはプラスチック製】   【そもそも重量オーバーの一眼レフを無理やり載せてみる】

 

プラスチック製の三脚はやめておきましょう

 

クイックシューはプラスチック製で、「カチ」っとハマる事はハマるのですが、金属パーツではないので「ガッチリ」ではなく、「ぐにょ~」っとしています。

ズームレンズの場合、レンズの先がニューっと伸びていくので、重心(バランス)が変わり、3つの脚が踏ん張る方向を考えないと頭から崩れ落ちていきます
ファインダーを覗いて構図を決めてパン棒を締めあげても「カク」っと下にズレるので、ズレる分を考えて若干上向きに締め付けはじめなければ希望の構図で止まってくれません。

一枚の写真を撮るのに余計な時間がかかりますよね。
・・・という以前に、ズレる分を予想して構図調整をする「三脚」は本来の三脚の使い方ではありません・・・。

 

三脚 デジカメ   三脚 デジカメ
【重さ122グラムのコンパクトデジカメくん】   【コンデジくんは嬉しそうだけど^^;】

 

極端な例でしたが、三脚には「積載重量」があり、それを超えるものを載せて使っても「大変」なだけになります。

イメージしてみましょう。

 

「安いし、数秒間だけカメラが載る三脚ならないよりマシだ」と、リュックに入れて行ったとしても不安定だし、固定した構図はズレているし、帰って写真をパソコンで見てみれば伸びたズームレンズが振動を増幅してブレているし・・・と、「ロクに使わない荷物」になりかねません。旅行用の三脚を購入する時の参考にしてみましょう。

 

 

 

写真撮影に必要な三脚の高さを考えてみよう


三脚を買う時に考える事~三脚の高さは高い方が良い

三脚 高さ
【写真:腰の高さと胸の高さ・・・あなたの撮影スタイルで必要なカメラの高さはどっちかな?】

 

 

三脚の高さは、もちろんできる限り高い方が良いのですが、「旅行用」となればサイズは無限というわけにいかず、制限が出てくるでしょう。
イメージしやすい「人物の高さ」に合わせた洋服と三脚の参考写真を掲載しますので、引き続き、イメージを膨らませる材料にしてみましょう。

洋服は170cmの身長の人の首から下の洋服の高さに合わせてぶら下げているもので、ズボンの高さも「実物大(高さ)」です。

 

■ 目線の高さまで安定して伸ばせる三脚が使いやすい

三脚 高さ   三脚 高さ
【脚のみ最大に伸ばした高さ1100mmくらいの三脚】   【左はエレベーターを延ばさずに首あたりになる三脚】
三脚 クイックシュー   三脚 クイックシュー
【腰を曲げないと構図が決められない】   【高さのある三脚は手持ち目線と同じ風景が撮れる】

 

三脚のエレベーターというのは、三本の脚の真ん中・・・カメラを直接取り付けている「支柱」部分をさらに上に伸ばす機構を持った部分の事。三脚によってはレバーをクルクルと回すことで上下に下げ下げすることができるのですが、脚の短い三脚の場合は「ひょろ長く」上に伸びていくのでバランスが悪くなります。

 

1メートルちょっとの高さの三脚だと、常に「かがんだ」状態になり思っているより低い高さであることがイメージできると思います。

身長170cmくらいの人は150cm程度の高さの三脚であれば「目線の高さ」でカメラを固定することができるのですね。

 

 

 

ローアングル用の卓上・ミニ三脚も携帯には便利


コンパクトタイプの三脚にはミニ三脚も選択の想定内

 

三脚 ミニ三脚 卓上三脚
【写真:スリックの自由雲台付テーブルミニ三脚。ちっちゃいのにしっかりホールドしてくれます】

 

 

旅行・携帯用の軽量三脚だけではなく、写真のような小さなサイズのミニ三脚もあり、「テーブル三脚」や「卓上三脚」と呼ばれたりもします。

もともとは地上の高さのローアングル用(マクロ撮影)の三脚なのですが、山歩きの山腹や岩場など、適当なカメラの置き場所さえあれば、ひょろ長い三脚ではなくてもブレのない風景写真撮影ができてしまいます。

クネクネ脚のゴリラポッドなどもフレキシブルなローアングル三脚ですが、足の短いミニ三脚も交換の効く雲台と組み合わせれば山歩き用の装備の軽量化に大活躍する事でしょう。

 

ほら、雨上がりの山の夕暮れや星が輝く夜空が綺麗ですよ♪
三脚がないとブレブレになってしまって撮れません。

 

■ ミニ三脚は旅行三脚よりどっかり安定しています♪

三脚 ミニ三脚 卓上三脚   三脚 ミニ三脚 卓上三脚
【一眼レフのミニ三脚 SLIK MINI-PRO DQ】   【一体型じゃない三脚は雲台も取り替えられます】
三脚 ミニ三脚 卓上三脚   三脚 ミニ三脚 卓上三脚
【ミニ三脚 SLIK MINI-PROの雲台を2way雲台に交換】   【小さくても重い一眼レフもバッチリ安定☆彡】

 

SLIKの MINI-PRO DQ というミニ三脚テーブル三脚 )。もともと自由雲台というフリーに動く雲台を装着している三脚ですが、雲台の分離ができるため3WAY雲台に付け替えることができました
小さい三脚ながら、もともと一眼レフの使用を想定しているため、しっかりホールドしてくれます。

 

初期状態でついていた雲台はスリックの「SBH-100DQ」という自由雲台ですが、そちらの解説は次のページでしていきます。
三脚、なかなか奥が深いモノですよね♪

 

■ ちょっと気になるAmazonベーシックの三脚
Amazonベーシック トラベルカーボン三脚130cm
 
Amazonベーシック 軽量三脚 150cm
 
Amazonベーシック 三脚170cm ピストルグリップ雲台
 
Amazonベーシック 軽量ミニ三脚
 
【Amazon.co.jp限定】 SLIK モノポッドスタンド 一脚兼簡易三脚

 

山登り&ハイキングのこぼれ話

男子

少しずつ装備がマニアックになってきましたね。でもいいんじゃないでしょうか?買う時にあれだけスペックやクチコミを調べまくって手に入れた「立派な一眼レフ」なのに、子供の運動会くらいしか使わないんじゃ、「何で買ったの?」というカメラになってしまいます。逆に森林散策に機材を組み合わせて「使いこなして」しまった方が絶対イイ!

【★一眼レフ写真用品なんかない?:一眼レフ用三脚

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第三章 風景写真撮影+撮影機材 初心者ガイドの目次


エントリークラス(初心者クラス)の一眼レフやミラーレスでそこそこ綺麗な風景写真を残していこう。
下のリストから見たい項目をチェックして自由に必要な事を考えていってください。

 

風景写真撮影をサポートする機材解説
0:風景写真撮影+機材 ガイド目次  
1:登山・森向けプロテクトフィルター 5:スタンダード三脚の選び方のポイント
2:登山・湿原向け高透過サーキュラーPL 6:クイックシューの使い方と種類
3:クローズアップレンズフィルターの効果 7:三脚の高さと旅行用三脚の注意点
4:NDフィルターの効果と使い方 8:旅の最適撮影装備「一脚+自由雲台」
一眼レフ・ミラーレス一眼の撮影知識
1:ボディとレンズ解説 5:ズームと広角の画角の違い
2:絞りを変えてボカす&クッキリ撮る 6:現場で判断&調整するISO感度
3:ピントとボケの範囲解説 7:リレーズとリモコンシャッター
4:写真の明暗とシャッタースピード  
自然地域へ行く時の撮影機材を考える
1:SDカードの基礎知識 4:形状別カメラバッグレビュー
2:バッテリーっていくつ必要? 5:屋外旅行の充電対策
3:屋外でのレンズ交換+レンズフード 6:山林・森林での被写体探しの現場